専修人の本_2011年度

江戸の金山奉行 大久保長安の謎
江戸の金山奉行 大久保長安の謎
発売日 2012.03.01
著 者 川上隆志?著【文学部教授】
発 行 現代書館
価 格 本体2000円+税
戦国の終わりから江戸の初期にかけて、大久保長安という謎の男がいた。猿楽師の家に生まれながら、武田、徳川の両家に仕えた有能な官僚であった。徳川家康には経理の才能を高く評価され、石見、佐渡、伊豆の金山奉行として江戸幕府初期の財政基盤を確立。また宿駅、一里塚の設置等で交通網を整備し、江戸社会のインフラ作りに貢献した。さらに能楽等の芸能にも通じ、家康の絶大な信頼を得た。しかし、死後直ちに一族が誅殺された。江戸時代の日本は世界に冠たる金銀産出国で、その影響は世界中におよんだ。
その激動の歴史を生きた人物の足跡を訪ね、謎に包まれた生涯の実像を求めて、石見、佐渡、甲斐、伊豆、八王子、高麗川等のゆかりの地はもとより、長安のルーツである秦氏の故地?朝鮮半島の踏査におよぶ広大なスケールの歴史紀行。
著者(かわかみ?たかし)文学部教授。主な担当は日本文化論?出版文化論。
ベーシック金融論
ベーシック金融論
発売日 2012.03
著 者 山中尚?著【経済学部】
発 行 同文舘出版
価 格 本体2800円+税
現代の金融論は、その分析手法が高度な数学を用いたものに進化しているが、本書ではモデル分析を使って理論体系を解説することは極力控えられている。著者が大学で行ってきた講義ノートをもとに書かれていることもあり、金融の仕組みと役割を体系的に学べる初学者にとっては、格好の入門書である。
全14章で構成されており、わが国の金融制度の特徴と変化から、外国為替市場、証券市場、デリバティブ、インフレとデフレ、さらには金融政策と我が国の金融規制の体系まで、金融論を学ぶに当たって欠かせない基礎理論が網羅され、平易かつ明快に解説されている。
著者(やまなか?たかし)経済学部教授。主な担当は金融論。
事例で学ぶリスクマネジメント入門
事例で学ぶリスクマネジメント入門
発売日 2012.03
著 者 上田和勇?著【商学部教授】
発 行 同文舘出版
価 格 本体2800円+税
本書は主に日本の企業経営におけるリスクマネジメント問題を、特に復元力の視点から事例を基に検討したものである。最初に、企業経営の失敗に関するリスク要因および危機的状況からの復元に共通する8つの要素をリスクマネジメント視点から体系的に示し、それに沿って事例をベースにした分析で各章が構成されている。
雪印、東京電力、スカイマーク、小松、東京ディズニーランド、ソニー、アサヒビール、池内タオルなどの企業経営の失敗と危機的状況からの復元を検討し、リスクの直視、企業ビジョン?理念の重要性と持続化そして環境変化への柔軟な思考の重要性を強調しながら、復元力を生むリスクマネジメント思考と施策が具体的に検討されている。
著者(うえだ?かずお)商学部教授。主な担当はリスクマネジメント、保険論。
経営入門―よい経営の創り方、よい経営学の学び方―
経営入門―よい経営の創り方、よい経営学の学び方―
発売日 2012.03
著 者 加藤茂夫?編著 笠原伸一郎?今井雅和?山田耕嗣?間嶋崇?共著【経営学部】
発 行 学文社
価 格 本体2100円+税
本書は経営学部1年次生対象の「経営入門」を担当する5人の教員による共著である。企業をどのようにかじ取りすべきか、組織メンバーはどう考え、どう行動すべきかを世に問うている。「企業論」「組織と戦略編」「会社と社会編」「会社と世界編」「経営学とその研究法編」の5部構成になっており、初学者が経営学の基礎を学ぶとともに、最新の話題に触れることができるように工夫されている。付録の経営(学)関連年表には1880年創立の本学が日本では最も長い歴史を誇る大学の1つであり、今年50周年を迎えた経営学部もわが国経営学教育の黎明期に設立されたことが記されている。
編著者(かとう?しげお)経営学部教授 共著者(かさはら?しんいちろう)経営学部教授/(いまい?まさかず)経営学部教授/(やまだ?こうじ)経営学部准教授/(まじま?たかし)経営学部准教授
晩唐詩の揺籃
晩唐詩の揺籃
発売日 2012.02.28
著 者 松原朗?著【文学部教授】
発 行 専修大学出版局
価 格 本体7000円+税
晩唐の詩歌がどのような経緯で発生し成立したかを考察した。唐代は、文学史では初唐(618~711)、盛唐(712~765)、中唐(766~835)、晩唐(836~907)に分けられる。盛唐には李白や杜甫が、中唐には韓愈や白居易が活躍。そして晩唐では耽美的な世紀末文学が時代を彩る。
本書は張籍?姚合?賈島の、従来は中唐に位置づけられる三詩人を取り上げる。彼らの中で、社会的営為からあえて自己を遮断し、個人の生活に引き籠もって文学の洗練を目指す退嬰的な風気が瀰漫する。白居易の掲げる優遊自適の「閑適」の文学から、張籍らの貧賤の中で営まれる「閑居」の文学へ。白居易とは大きな断層を隔てて、次の時代の文学が始まっていた。
著者(まつばら?あきら)文学部教授。主な担当は中国の文化と歴史。
心と身体を整える 健康ごちそうスープ
心と身体を整える 健康ごちそうスープ
発売日 2012.02.02
著 者 五十嵐豪?著(平20経営)
発 行 アチーブメント出版
価 格 本体1400円+税
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毛のない生活
毛のない生活
発売日 2012.02
著 者 山口ミルコ?著
発 行 ミシマ社
価 格 本体1500円+税
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流動する黒人コミュニティ―アメリカ史を問う
流動する<黒人>コミュニティ―アメリカ史を問う
発売日 2012.02
著 者 樋口映美?編著【文学部教授】
発 行 彩流社
価 格 本体2800円+税
「コミュニティ」とは何か。本書は、その命題を掲げた7人の研究者がアフリカ系アメリカ人(アメリカ黒人)によるコミュニティの形成?変容のプロセスおよび多様性を、奴隷制の時代から今日まで検証しようとした実験の書である。
奴隷制下で紡がれた「人と人とのつながり」、19世紀末の南部の町でつくられた「つながり」、第一次世界大戦後の北部大都市に拡大した黒人街での「つながり」や鉄道ポーターたちの生活からうまれる闘い、1950年代以降アフリカのガーナに亡命した者たちの存在や川崎市の市民運動で注目された「黒人神学」、ニューヨークでの新たな闘いと連帯など、人びとの生きる実態が活写されている。
著者(ひぐち?はゆみ)文学部教授。主な担当は「アメリカの人種と政治」。
小林一茶 時代を読む俳諧師
小林一茶 時代を読む俳諧師
発売日 2012.02
著 者 青木美智男?著【元文学部教授、専修大学史編集主幹】
発 行 山川出版社
価 格 本体800円+税
「我と来て遊べや親のない雀」「雪とけて村一ぱいの子ども哉」
われわれがよく知る小林一茶は、子どもや動物たちへ慈愛に満ちた眼差しを向け、滑稽味あふれる句をよんだ俳諧師だが、こうした俳句をよみ出したのは50代に入ってからのこと。
一茶は、その一方で日本や中国の古典にも精通し、自分が生きた化成期という時代を真摯に見つめて句によんだ人物でもあった。
本書では、一茶の句を紹介しながら、歴史学的視点から新たな一茶像を描き出す。世直しを願う一茶、国学思想に傾倒する一茶―など、従来考えられていた一茶像が一面的なものであったことに気付かされる。
著者(あおき?みちお)専修大学史編集主幹、元文学部教授。
Teaching EFL Composition in Japan
Teaching EFL Composition in Japan
発売日 2012.01.01
著 者 上村妙子?著【文学部教授】
発 行 専修大学出版局
価 格 本体3400円+税
本書はまず、日本の高校1年生から大学4年次生までのライティング能力の変化を量的及び質的な分析を通して探った。さらに、大学生が書くリサーチ?ペーパーにおける盗用と客観性の欠如という問題点を明らかにし、英語の4技能の統合という視点に立ち、議論文と物語文を対象とした指導法を提示している。
英語の4技能の中で、ライティングは学校での指導なくしては育成できない技能であり、また習得にも最も時間のかかる技能だが、ライティングを通してこそ、思考力や創造力を磨くことができる。
著者(かみむら?たえこ)文学部教授。主な担当はComposition1?2、言語とコミュニケーション。
王者の食ノート
王者の食ノート スポーツ栄養士 虎石真弥、勝利への挑戦
発売日 2011.12.07
著 者 島沢優子?著
発 行 小学館
価 格 本体1300円+税
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善光寺大地震を生き抜く
善光寺大地震を生き抜く 現代語訳『弘化四年?善光寺地震大変録』
発売日 2011.12
著 者 青木美智男?校註【元文学部教授、専修大学史編集主幹】
発 行 日本経済評論社
価 格 本体4800円+税
昨年3月―。東日本大震災は、巨大な揺れと大津波によって2万人以上の犠牲者を出した。原発事故が加わり、国民に戦後最大の精神的ショックを与えた。それ以後各地で起きる余震。全国民は地震がいまだ収束に向かわず、再び大地震に見舞われるのではないかという不安を増大させている。そうした状況下、被災者は復興に立ち上がっている。地震史研究は、本震にとどまらず、余震も含めた長いスパンの研究が重要だが、残念ながらこうした関心からの研究はほとんどない。
本書は震度5、6という余震が7年も続いた1847年(弘化4年)3月に起きた善光寺大地震に遭遇した75歳の農民(中条唯七郎)が書いた80日間の記録を紹介し、絶え間なく起こる余震を生き抜く民の姿を再現、地震史研究に新しい方向を示した。
校註者(あおき?みちお)元文学部教授、専修大学史編集主幹。
聖書のパワー物語
聖書のパワー物語
発売日 2011.12
著 者 大澤史伸著(平9院文修)
発 行 日本地域社会研究所
価 格 本体1500円+税
東北学院大学教養学部で准教授を務める大澤史伸さん(平9院文修)が、聖書の世界に触れることによって、いかに自分の人生を変えることができるのかを分かりやすく説いたのが本書。
大澤さんは大学4年次に洗礼を受け、クリスチャン(日本ルーテル教団)となった。本書は前任校であった名古屋学院大学の教員時代に大学礼拝で学生たちに語ったメッセージを基に執筆された。
決して諦めないこと。出会いを大切にすること。自分にできることで勝負すること―。神を信じ、愛と勇気をもって立ち向かえば、人生を変え、世界を変えることもできるという著者のメッセージは明快だ。今の自分を少しでも変えたい、変わりたいと思いつつもその方途を探しあぐねている人は多い。そんな人たちに本書は小さな一歩を踏み出すためのヒントを提示してくれる。
鳴物師 音無ゆかり事件ファイル
鳴物師 音無ゆかり事件ファイル
発売日 2011.12
著 者 上野歩?著(昭63文)
発 行 文芸社
価 格 本体1000円+税
小説すばる新人賞受賞作家の上野歩さん(昭63文)が新作「鳴物師(なりものし)音無ゆかり事件ファイル」を刊行した。
主人公?音無ゆかりは「鳴物師」として活躍する18歳。神の末裔(まつえい)といわれる鳴物師。<音聞き>によって人々の悩みの根源を察知し、<音消し>によってそれを解決する。音無家に代々受け継がれる力と、バーのマスター?綾瀬とバーテンダー?入来(いりき)のサポートによって、次々と持ち込まれる難事件に立ち向かうゆかり。しかし、さまざまな捜査を進めるうちに、自身の両親にまつわる悲劇的な過去が浮かび上がってきた。彼女を悩ませるトラウマの真相は何か?そして音無家に宿る特殊能力の招待とは?
ニューヒロインが挑む、新感覚サイコミステリー。
良い経営者 できる管理職 育つ社員―ベンチャースピリットで「心の見える企業」をめざす
良い経営者 できる管理職 育つ社員―ベンチャースピリットで「心の見える企業」をめざす
発売日 2011.11.16
著 者 加藤茂夫?共著【経営学部教授】
発 行 白桃書房
価 格 本体1500円+税
組織において仕事をする際に出くわす課題や問題点を、階層(経営者、管理職、一般社員)ごとに指摘、解決する方向性を示す書。
これらの課題や問題点の本質を理解するために、経営学?組織論についても解説している。
「経営者はどんな存在なのか?」「トップとしてのリーダーシップはどうあるべきか?」を日常の情景から解きほぐし、「優れた管理者になるには、どのような行動をとるべきか?」をケースごとに展開。「社員を指導?育成し、彼らが将来のリーダーになるためのしくみ」を考えるときの材料を提供している。
各パートについて、見開きページのイントロダクションと、経営学の見地から解説した「特別講義」を設けた。
共著の行本明説氏は日本におけるタイムマネジメントの第一人者。
共著者(かとう?しげお)経営学部教授。主な担当は「経営組織論」。
言語哲学への新視角 ウィトゲンシュタインはソシュールを読んだ!
言語哲学への新視角 ウィトゲンシュタインはソシュールを読んだ!
発売日 2011.09
著 者 川崎誠?著【経営学部教授】
発 行 理想社
価 格 本体3000円+税
ウィトゲンシュタインは20世紀哲学を代表する哲学者だが、そのテキストの難解なことでも知られる。本書は、そのウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』?『哲学探究』等を、これまでとは異なる方法で読解した。すなわちソシュール『一